【補助制度】
(建設省が路面電車に補助)
それから、我が社のことで恐縮なんですが、いま建設省が平成10年度に路面電車走行空間改築事業と言う新しい補助制度を作ってくれました、いわゆるインフラ補助ですね、実際には平成8年度から都市交通の改善事業というので一般会計で補助をしましょうと言う事になっていました。これが線路があるところで道路改良する場合には軌道敷とか電停とか上屋とかを補助しましょうと言う事でした。
それが平成10年度で今度は特別会計、いわゆるガソリン税が使えるようにして頂いたと言う事です。今まではガソリン税というのは道路を改築するばっかりだったんですが,それを鉄軌道の方にもお金が使えるようにして頂いたもので、豊橋のような、それから新しく路線を作ろうと言う場所には、こういった事が出来るようになりました。
なぜこういった新しい補助制度が出来てきたかというと、いわゆるマルチモーダルシフト施策と言う事を検討されておりまして、建設省のほうも道路ばっかり作ってたのでは、お金もかかるし、出来たと思えばすぐ渋滞するので、交通渋滞の解消にならないというので、自動車ばっかりの道路づくりではなくて、モーダル、動きをどっかにシフトしようよ、いわゆる鉄軌道のほうにも目を向けようと言う事で軌道法の路面電車があるじゃないか、よくよく考えてみると路面電車だけ今まで何の補助もなかったんですね、そんな事で今まで新交通システムとか、モノレールとかには補助が出てたんですが、路面電車にはなかった、と言う事で地方自治体さんがいろんな対策を立てる時にどうしても補助があるものしか対策を立てなかったんですね、それで新交通システムとかモノレールにずっといってたんですが、この制度が新しく出来まして盛んに、あっちこっちで検討が始まりました。これもこの補助制度のおかげだと思いますし、一番大きな問題は、やはり地下鉄とか新交通システムでは初期投資が非常に大きく、採算性が取れないという、採算性の問題ですね、赤字決算累積が貯まってきている現実問題が社会問題になって来だしたと言う事です。
地下鉄を持っている9都市はすべて赤字でありまして、1キロ当たりの初期建設費用が300億円〜350億円。新交通システムの場合でも広島の場合で100億円今ですともうちょっとかかると思いますが、なかなか初期投資が大きいです。その点路面電車ですと初期投資が非常に少ないです、路面軌道だけですと建設費用がキロ当たり10億〜20億、橋梁のほうも併用軌道にしますと大部分が道路管理者のほうで見ていただけますから、事業者負担としては少ないです。そういったことが建設省を中心としていろいろ取り組んで頂いているところです。
(運輸省−情報が欲しい)
つぎにまずなんでも物事をやっていこうと思うと上から降りてくる場合と下から上がる場合があるそうですが、一昨日、その運輸省へ行っての話ですと、とにかくどんどん今言って来て欲しということです。運輸省の担当課長さんも、とにかくあまり情報が上がってこないんだと、もう遠慮しないでなんでもいいからどんどん今、言って欲しいと、今はどこで何をどう計画しているという玉が欲しい、情報が欲しい、それについてみなさん方の意見がどういった補助をして欲しいか、どういった規制緩和をして欲しいか、そんなことが今知りたいんだいうようなことがありまして、ここの枚方とか岡山の例はそういった点で市民の盛り上がりが非常に盛んなとこですから是非、市役所さんあたりと十分にそういったところをネゴシエーション(交渉)されて、また基本計画をどうなさるかというのもありまして、だいたいの目途というか目途が立たなくても、どういう課題があるというだけでもいいから運輸省、建設省に持っていけば、なにかいいアドバイスを頂けるのではないかというように思います。
今はとにかく話題があるということで我々はこれこれ、こういういったまちづくりをしたいんだといういことを今、上げていけばかなり、予算がつくというようなことで、ございますから、是非お願いしたいと思います。
そういったことがありますので、今、枚方でこういった具体的なみなさんの熱意があるのでしたら、どんどん建設省、運輸省へ上げていったら、いい方向へひょっとしたら,いくかもしれません。そのひょっとしたらっていうのが岡山なんですね、その岡山がひょっとが,ひょっとどころじゃなくて現実になりだしてきたんです。
(市民運動から現実へ−岡山)
あそこはRACDAという都市と未来を考える会というのがありまして、そこの会長さんに岡さんという元気な方がいらっしゃいまして、なかなかの知恵者なんですけど、その方が本当に自分の仕事を置き忘れてとにかく岡山をなんとかしたい、まちの活性化を何とかしたいということで一生懸命やっておられるのですが、その輪がどんどん広がりまして、今はその1キロスクエアー構想というのが商工会議所から提案もあったりして、市役所までの1キロをとりあえずやろう、そして、それに調査費用もついてきたのです。そして市長さんの選挙があったのですが、かなりそれを支持している方が当選されたということで動きの見通しもこれからもいいのではないかと思うのですが、これはとにかく初めは岡山市役所もそっぽを向いていらっしゃったようです。
また事業者の岡山電軌道の方もとんでもないそんな金あらへんというようなことで、両方がそっぽを向いて、市民運動だけがわっしょい、わっしょいしてたのですが、だんだん広がってきて商工会議所も一緒になり、市役所も無視出来ないようになって、市役所も入られて、今度は市役所も今、本気になりだしてきたという訳なのです。
昨年だったのですが、市役所のホールに電車のモデルを作られてスルッと入れるもんとどっこいっしょという片方がスルッと入って、片方が階段のがあったのですが、その2つを低床と在来車というように非常に上手く表現されてまして、これを市役所のロビーでやってもらったという、そこまでどんどん盛り上げていったのです、最後には今、話題になっているその超低床電車を導入するのに資金がない、よしそれであれば我々で会社作ろう、そういう超低床を買う会社を作ろうと言うことで、そこのみなさんが会社作りを検討されています。
(グルノーブルにしてもストラスブールにしても)
しかし全部買うわけにはいかないですから、そういったことを順序立てて結局、後で公費をいくらか貰えるようにはされると思うのですが、そういったようなことを今やっておられまして、岡山はとにかくそういった市民運動の熱意が市を動かした、岡山電気軌道さんの方も試算したら6億円ぐらいまではなんとか最大限持ち出しが出来るというというところまで回答が出だしたということですから、やはり市民運動が非常に強いなあと思いました。グルノーブルにしてもストラスブールにしてもどこにしても市民運動で自分のまちをこうしたいという事で市の行政にどんどん反映してということがありますから、このあたりも一つは参考になっていくのではないかと思います。