【走行環境の整備】

(警察の規制関係)

 次に市内線の軌道敷内通行禁止の状況ですが、軌道敷内には自動車が一台も入っておりませんで、いわゆる運行の定時制を確保させて頂いております。何十系統のバスが渋滞しておる中を電車だけはすいすいと行かせて頂いている。こういった状況は警察の規制関係が大きくものを言っていると思います。

(区画線)

 それからつぎに区画線ですが、警察にお願いして、車道と軌道敷の境目にライン一本を引いて頂いたのですが、このライン一本で自動車は軌道敷へ寄ってこないし、電車も走りやすくなって、事故も減って来るし、速度も出せる、走行環境の整備ですね。これも走行環境の整備で交差点内で自動車が止まりますと電車が来たときに行けないと言う事でなんとかいい方法はないかと警察に相談したところ、わかった、それじゃあここに自動車が止まらんようにしたろ、と言うことで「止まるな」という標示をして頂いております。

 これが広島の場合よく守って頂いて、これが所要時分を短縮させる、表定速度を上げていくのに効果が非常に大きかったですね。こういった事が路面軌道の対策を規制でやれる事例だと思います。

(電停の美装化)

 電停も美装化しようということで、皆様ご記憶にあるかどうか分かりませんが、昔は電停に柵とか屋根とかが無く、島場があればまだいいほうで、平面の安全地帯というのが多かったんですね、それからだんだんとマウンドアップして島式の電停になって、それでもまあ良かったんですが、広島で事故があったんですね、自動車が電停に乗り上げてきまして、何人か怪我されて、それから柵を付けてもらおうと、それから夕立等がありましても、ここでは逃げられませんので、旅客上屋根を付けてもらって、なかなか出来てみれば簡単なようですけど、ここまで来るのに道路管理者と本当にせめぎあいをしました。

(道路構造令)

 道路管理者のほうは道路構造令と言うのを持ってます。我々は軌道法がありますが、いわゆるこういったものをやるには、電停の端から50センチ離して電停の中に入れてやりなさいということで、狭い電停では1メートルくらいですので、50センチ下げますと人間が立つところがなくなってかえって危ない、そんな馬鹿な法律はないということでいろいろやりまして、結局は解って頂いて5センチですんだと言う事がありました。

(共通で乗れるカードを発行)

 それからこちらでは「スルっと関西」というカードをやっておられますが、それに準じた物であります。路面電車とバス6社とアストラムラインこれは新交通ですが、こういった物に共通で乗れるカードを発行してお客様に便利な運行体系を実施しております。


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