3 バス乗降の現状からの需要予測

続きまして、3番目でございますが、バス乗降の現状からの需要推測ということで、山本さんと高橋さんからしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

ご紹介にあずかりました山本でございます。今回、需要予測ということで、京阪バスの現状の運行状況と利用状況から実際に今回LRTの導入がどういう理由で必要なのかということを発表させていただきたいと思いまして、いろいろ資料、それから画像等用意しましたので、それと照らし合わせながら、話を聴いていただけたらと思います。

今、画面に出てますのは、最近導入が始まったノンスッテップバスというものでして、先ほどビデオにも出てましたとおり、実際にステップがないので、車いすとかお年寄りの方でも手軽に乗り降りができる車両ということで導入されているものです。

この車両の場合は、天然ガスを使っているということで環境にもやさしい車両ということで、今後導入が計られるかどうか、ちょっとわからないですけども、最近この地域では走っているものでございます。

次お願いします。

こちらのほうは今でも大半の車両の車両がこれに当てはまってまして、ステップが2段付いている、乗るときに階段を「よっこいしょ」と上がって、降りるときにもよたよたと降りなければいけない普通のバスでございます。先ほどのバスもこちらのほうもだいたい車長が9mぐらいということで、一応自動車業界では中型バスと言われてるようなんですが、詰め込んでいくと100人前後の人が乗ることができる車両ということになっています。

次お願いします。お手元の資料の中で2ページ目になるんですが、aの需要状況というところの中で、実際にこれをLRTに置き換えたらどうなるのかということで、説明があるんですけども、単車とか2車体連接と書いてあるのでどんなものかわかりにくいだろうということで、画像を用意しました。単車という車両、いわゆる普通の路面電車でノンステップ型になっているもの、この車両をモデルにさせてもらいました。


KAGO…鹿児島市交通局1000形「ユートラム」


momo…岡山電気軌道9200形「MOMO」


HIRO…広島電鉄5000形「グリーンムーバー」

鹿児島で実際に走っているユートラムと言われているもので、ノンステップ型の車両です。ドアも非常に低い場所にございます。ただ、単車ですので輸送力は非常に少なくて、定員は79人。ですから先ほどのバス1台とあまり輸送量は変わらない、こういうタイプの車両でございます。

次お願いします。2車体連接のものというのが、岡山で去年から走り出したものでMOMOという愛称が付いています。これも同じくノンステップのもので、これだとちょっと輸送力が増えます。定員94名ということで、中がけっこう広いですのでかなりの人数が乗ることができます。

次お願いします。枚方だったらこれぐらいはいるだろうということで、5車体連接のもの、これは広島で現在7編成か9編成導入されていまして、これが定員が153名、先ほどのバスだと単純計算して2台分ぐらいの輸送ができるということで、今回の需要予測に関してはこの車両を使ったケースが一番理想じゃないのかなということで話をすすめていきたいと思います。

では、実態に入っていきたいと思いますので、表のほうも次お願いします。現在、枚方市駅に入ってくるバスの便数を挙げてみるとこんな状況だと。これだとわかりにくいですので、メインとなる部分を説明させていただきますと、お手元の資料の平日、これをご覧になっていただきたいと思います。今回需要予測をするにあたってラッシュ時の輸送というのを考えた場合、今枚方市駅にはどれだけのバスが入って来ているのかということを調べさせていただいたところ、時刻表ベースでいきますと朝の7時台、ピンク色になっている上段の部分になるんですね、お手元の資料では色は付いていません。

7時台の市駅の北口に着くバスというのは、高槻から来るものとかを全部含めますと、73便。藤阪の方から入って来る、杉田口禁野線を走って来るバスのみで考えましても47便が7時台になだれ込んで来ます。47便のバスが入って来るということは、1分ちょいごとにバスが1台ずつ入って来るということなので、かなりの量のバスが市駅になだれ込んで来ている。うがった言い方をすると渋滞の原因を作っている一因なのかも知れないということですね。8時台にもそれに負けないぐらいの便数が入って来てますので、かなりの量を確保しているんだということがわかります。

次の表お願いします。今回のテーマになっている枚方藤阪線のモデルということで、藤阪ハイツから来ているバスの状況というのを説明させていただきたいと思います。藤阪線、現在18号系統というのが走ってまして、平日、土休日ともに67便が設定されていて、ある意味メインの系統になっています。朝ラッシュ時の混雑が他系統と比べとりわけ激しくなってまして、禁野線に入って来るバスの中でも特に混んでいる。実際に乗客の様子を見てみますと、杉田口禁野線に入る長尾谷町というバス停があるんですけども、ここの時点で座席はほぼ全部埋まってしまって立ち席がパタパタ出てくる。1号線を越えるあたりで、立ち席もいっぱいになってしまって、外からは「乗れるんかこれ」というような状況が出てきます。これは実際に8時20分に藤阪ハイツを出る便ですからラッシュのピークは過ぎています。ということは、7時台に出るバスだともっと混んでいるという可能性が強いんじゃないのかなということがわかります。

これをダイヤ設定の面で見させてもらいますと、設定本数や頻度は悪くないんです。

需要に十分見合った設定ができてるのかなと思うのですが、この藤阪線以外の系統も含めて、このバス非常に長距離系統が多い。長尾の方から来るバスであるとか、樟葉の方からまわって来るとか、非常に長距離の系統が多いので、肝心の枚方の市内に住んでいる人たちの利用というのはあまり想定されていません。ですから、国道田ノ口以西の利用者にとっては、はっきり言ってバスが利用しやすい状況かというとそういう様子ではない。

だから、満員のバスがトロトロ、トロトロ走って行く横を自転車とか原付で、動いて行くという状況ができてるんじゃないのかなと思います。これを今回LRTの需要を考える上での潜在需要の1としてつけさせていただきました。今回データには取り上げていなくて、後で高橋さんの方から説明がありますが逆のルート、要するにラッシュというのは片方向ですから、その反対側の輸送というのは問題ないのかということを調べてみますと、市駅の近くにみなさんご存知のとおり関西外大がありまして、この学生が実は便に集中するという実態があってこれが予想以上に激しい輸送状況になっている。ですから、ラッシュの片輸送だけ考えるわけにはいかないという現実もあるんだということがわかってきます。

この外大生の需要というのを潜在需要の2ということで、これを元にして需要予測をしていきたいということになりました。

次お願いします。実際これバスの路線、系統ごとの輸送状況を見たんですけども、この表の下側に特に注目してほしいんです。いわゆる世間でのラッシュ時と言われている7時半から8時半の1時間の間、系統ごとに見ていくと「なんやそんなに混んでないやんか」という状況になってはいるんですけども、これ実際に人数でいきますと、バスで輸送するにはちょっとしんどい人数かなという状況になってます。1時間あたりで乗車しているのが1694名ですから1700人と考えさせていただきますと、これ結構な人数になるんです。

実際に先ほど説明した車両に置き換えていきますと、今回モデルにしている広島電鉄の5000形グリーンムーバー車に置き換えると、単純にこのお客さんが全部LRTに乗り換えると、1時間に8本分という輸送になります。ただ、先ほどの潜在需要の面を考えると、到底1時間に8本という量では、さばききれないということは明確でございます。

次お願いします。18号系統、先ほど藤阪ハイツからのバスを見たんですけども、これだけで実は760人いると。ということは、18号系統だけでグリーンムーバーを5台分用意しないといけない。これ以外にも他の地域から入って来る客もいるわけですから、それを輸送しようとすると、バスだったら今の京阪バスと同じものだと28台必要である。大型バスと言いまして、今枚方では走っていないんですけども、もうちょっと大きい路線バスを用意すると19台ということですから、やっぱりもっとたくさんのバスがいる。バスというのは1台につき1人の運転手が必要ですから、人件費なんかも考えたらすごい金額になるのは明確です。ですので、これをLRTに置き換えて考えてみようじゃないかと。

しかも、もっとたくさんのお客さんを取り込むんだということも、考えていかないといけないというふうに持っていきたいとおもいます。

次お願いします。でLRTのメリットに入っていきたいと。LRTの必要性ということで、まずバスというのは1台あたりの輸送力が非常に小さいですから、これ以上供給増加というのは難しいです。道路の占用の問題、人件費の問題、そういう点を考えるとちょっと難しい。バスというのは、もうワンマンで利用するのは常識になっているというところもありますので、運賃収受のための停車時間が延びている。これは、外大前のバス停とか見てもわかるんですけども、乗るときにひとりひとり乗り降りをするのですごく時間がかかる。その間にもちろん車がたくさん詰まっていたり、無理な追い越しがあったりとかというので、健全な交通状態とは言えないところがあります。

それから環境問題としてまだまだディーゼル車が多いですから大気汚染の緩和を妨げている。新技術のための費用というのは非常に膨大でして、京阪バスも株式会社ですからあまり大雑把な投資というのは非常に難しくなっているということが考えられます。