福井市トランジットモール社会実験 調査報告

期間:平成13年10月12日〜11月4日

場所:中央1丁目地区及び福井鉄道沿線

社会実験の概要

「乗って歩いてまち遊びinぷらっとモール」と題した日本で初めて低床車両を用いたトランジットモールの社会実験が福井県福井市で実施された.

今回福井市が行った中心市街地活性化に向けたトランジットモール等の社会実験の目標として,

@ 中央1丁目地区における歩行者ネットワークの構築

A 公共交通機関によるアクセス体系の整備

B 市民参加による賑わいのあるまちづくりの推進

と3つの大きな目標をかかげ実現性の検証・課題の整理から道路整備の方向性と中心市街地の活性化を目指すものとなっている.福井市がどのような中心市街地の活性化を目指しているのかというと,ひとつに「プラス1時間楽しむまちづくり(中心市街地活性化基本計画)」と「人と文化を結ぶ歩けるまち(都市計画マスタープラン)」の二つからなる.

調査報告

本研究会では,10月21日(日)に福井市の社会実験を視察した.この実験で走らせていた車両は,名古屋鉄道で現在活躍中の新型低床車両800型を借りてきての運行であった.この実験期間中、実験区間内の乗車運賃は,大人100円小児50円と安く,実際に多くの人に利用され,特に小さな子供を連れた家族連れが多く利用していた.この実験では、市街地周辺で同時にパークアンドライドも実施されていた.しかしこちらの方は少し駅から遠く場所がわかりにくかったためか,平日でも5台程度の利用率であるとのことであった.

今回の視察では,福井市の都市政策部の方と福井路面電車とまちづくりの会(ROBAの会)の方から話を伺うことができた.

ROBAの会 清水氏の意見

「とにかく電車に乗るという習慣を身につけるきっかけになって欲しい.また、将来的にはLRTの積極的利用によって中心市街地活性化も可能であるということを認識して欲しい.」

福井市都市政策部高間氏の意見

「歩行を中心としたネットワークの構築により歩行者に歩きやすいまちづくりを行い、市民の滞在時間が長くなるような、活性化した中心市街地を整備するために道路や駅前の整備検討を行っていきたい。今回の実験ではまた、市民の方々との意識のギャップを埋めていきたい.」

今回の視察で,やはりこのような社会実験の重要さがわかった,しかし,一方商店の方はこの実験に否定的であった.また,軌道と歩行空間の分離のため花壇などで仕切りをしていたのも少し残念に思った.当研究会でも商店,行政,警察との合意形成を成しトランジットモールの社会実験を実現を目指していきたい.

(報告者:田畑 喜功,前久保 俊二)


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