枚方LRT研究会 会員意識調査 報告
1.調査概要
活動5年目を迎えるに当たって,会員の意識を把握し,今後の研究会のあり方を検討していくためアンケート調査を行いました.調査は昨年12月に会員の方々に調査票を送り,ご返送していただくという形で行いました.(ご協力していただいた方,大変ありがとうございました.)配布した方(会員全員)135名,で調査票をご返送いただいた方は33名で回答率は24%でした.
2.調査内容
個人属性
研究会への参加程度
研究会に参加後の意識の変化
研究会のあり方
定例の研究会について
研究会の部会について
行政・市民との関係のあり方
会報について
3.回答者個人属性
図2は回答者の性別を示したものである.男性が91%と圧倒的な数を占めている.
図3は回答者の年齢層を示したものである.50歳代が一番多く,その次に多いの4歳代である.また一番少ない層は,30歳代である. 図4は回答者の職業を示したものである.比較的自由の利く自営業が多数を占めた.
図5は会社員,公務員,自営業,学生に対して,都市交通の仕事に過去,及び現在に携わっているかどうかを示したものである.68%もの人が携わったことがあると回答しており,このアンケートで見る限り,本研究会の層は専門家が多いことがわかる
図6は回答者の居住地域の割合を示している,枚方市に住んでいる方が6割占めている.
4.入会の動機・媒体
図7は入会した動機を複数回答により示したものである.「知り合いに誘われた」と回答している人が最も多く,本研究会の入会に際して口伝えが大きな影響を示していることがわかる.人脈以外の会のアピールの仕方も検討していくことが課題であろう.また「交通・LRTについて興味があった」ということで入会した人も多数を占めており,何らかの問題意識を持って入会している人が多いと考えることが出来る.「枚方の街をかえてみたい」という動機で入会している人が意外と少なく,会のエネルギーの増加にも,枚方の街をかえてみたいと考えている人をうまく取り組んでいく必要があるかと考える.
図8は入会したきっかけの媒体を示したものである.上にも述べたように「人から聞いた」という媒体が最も多い.その次に「新聞報道」が多い.「その他」に関する項目が3%であった.
5.研究会への参加の程度・参加してからの会員の意識の変化
図9は研究会の参加の程度を示したものである.「あまり参加していない」と答えた方が最も多かった.「あまり参加していない」「参加したことがない」と答えた方にその理由を複数回答で尋ねたところ(図10)忙しいと答えた方が半数を占めている.また,とりあえず入会しただけと答えた方も24%いた.興味が無くなったと答えた方は全くいなかったが,余り参加していないと答えた方は,後に記す研究会に対して何らかの不満を持っていると答えた方が,半数を占めている.そのため,会員の意見を今まで以上に,よく踏まえた上で,会運営を行えばより一層参加者が増えると思われる.
図11は「LRT」,「枚方市」,「枚方の交通」,「枚方市の中心市街地」の項目について会の変化を示したものである.LRTについては非常に興味がもてるようになったという回答が50%と一番良好な回答となっている.また次に良好な回答として,枚方市の交通となっている.これは研究会で積極的に取り組んだキーワードがそのまま会員の意識の向上につながっていると考えることが出来る.また枚方市については非常に興味がもてるようになったという回答は25%となっており,他の項目と比べて,低くなっている.今後,LRTの導入地である枚方そのものについて,会員の興味を引くようなシカケを行っていく必要があると考えられる.
次にその他,枚方・LRT研究会に入会して意識が変わったこと,よかった点を聞いたところ,まちづくり,都市機能といった視点において公共交通,鉄道をみることが出来るようになったことや,車社会がもたらす影響,車中心の価値観を転換するきっかけとなったといった意見があった.またLRTの必要性を実感した.勉強するにつれてLRTの導入が不可欠であると言った意見もあった.
会員の入会後の意識の変化を示したものである.LRTについては非常に興味がもてるようになったという回答が50%と一番良好な回答となっている.また次に良好な回答として,枚方市の交通となっている.これは研究会で積極的に取り組んだキーワードがそのまま会員の意識の向上につながっていると考えることが出来る.また枚方市については非常に興味がもてるようになったという回答は25%となっており,他の項目と比べて,低くなっている.今後,LRTの導入地である枚方そのものについて,会員の興味を引くようなシカケを行っていく必要があると考えられる.
次にその他,枚方・LRT研究会に入会して意識が変わったこと,よかった点を聞いたところ,まちづくり,都市機能といった視点において公共交通,鉄道をみることが出来るようになったことや,車社会がもたらす影響,車中心の価値観を転換するきっかけとなったといった意見があった.またLRTの必要性を実感した.勉強するにつれてLRTの導入が不可欠であると言った意見もあった.
6.研究会のあり方
図12は枚方・LRT研究会のあり方に満足しているかを示したものである.ほぼ満足しているが52%で最も多いが,次にやや不満であるが35%である.またやや不満である,不満であると答えた方に記述式で聞いたところ,一般市民の巻き込みが不足している.学問的遊びが続いている,何にしろ同じようなことを繰り返しているといった厳しい意見もあった.
図13は枚方にLRT導入が決定されるまで何年かかるかを聞いたところ10年以内とそれ以上の回答に分かれた.今後、会として導入実現に向けて明確な目標を定めることも必要かと考える.
図14は枚方・LRT研究会が第1に取り組んでいかなければならない活動事業を示したものである.半数以上の方が,市民に訴えていく必要があると回答している.またその次には行政に訴えていく,LRT・交通についての知識を深めると回答している.
図15は第1,第2,第3に取り組んでいかなければならないことを示したものである.1番目は上にも述べたように,市民に訴えていくであるが,2番目は行政に訴えていくが一番上位に上っている.また3番目については意見が分かれている.
7.定例の研究会について
図16は定例の研究会についての会員意識について示したものである.ほぼ満足しているが60%とおよそ半数以上を占めた.またやや不満であるは30%であった.やや不満である,不満であると答えた方に記述式で聞いたところ,マンネリ気味,同好会的雰囲気や勉強会に終始するのではといった厳しい意見が聞かれた.また広く一般の市民も巻き込んだ方がよいといった回答もあった.
また今後どういった定例の研究会を行っていけばいいか,その他,なにか定例の研究会についての意見を記述式で聞いたところ.代表的なものをあげてみると以下の通りである.
実地見学会や体験型の研究会
具体的にLRTが導入された場合の将来図面的なもの,枚方の実現に向けての設計や予算など全てにおいて具体的にシュミレーションしたプランの作成
TDM施策とあわせた議論,道路整備との関連の必要性の議論,財源の議論
当研究会のスケジュールが不明確,いつまでにどんな結論が到達するのかというタイムリミットを設ける
一般市民を巻き込む必要がある.もっといろんな人(会員外)が参加できる研究会的なものも必要.イベントは単発でなく,継続性がある方が望ましい,また一般市民にPRする場の創設が望ましい.
市民向けのパンフレット,出版物を協働で行う.
8.部会について
図17は部会の参加の経験に関して示したものである.回答者の76%が不参加である.不参加の理由を複数回答で聞いたところ(図18),およそ43%の方が忙しいと回答しているが,30%の方が閉鎖的なものを感じたと回答している.また不参加の理由を記述式で聞いたところ開催日が不明であったや,どのように参加して良いかわからなかったといった意見が複数あった.今後,会員に対してしっかりした案内を行う必要があると考えられる.
また今後の部会活動に対して何か意見を記述式で聞いたところ,実現のための戦略的な部会に転化していく必要がある,またいろいろな人に参加して話しあえる部会にして欲しいといったような意見があった.
9.行政・市民との関係のあり方
1) 行政との関係のあり方
今後,行政にどういった形で本研究会の意見を訴えていくことが望ましいかを記述式で聞いた.代表的な回答をまとめてみると以下の通りである.
LRTをバス,自動車の代替手段として興味を持ってくれる議員の数を増やす.トップの意識が大切なので,LRT導入に熱い,市長を選挙で通す.あるいは候補者を出す.
枚方市の実力を高める.そうでないと財源問題を解決できない
本研究会と行政とで定期的な意見交換の場を作る
弱い立場の人が住みやすい街にすることが,みんなが住みやすい街だと訴えていけばいい(行政が食いついてくるような訴え方)
とにかく市民の声を大きく反映させることが大事.
交通実験を行う
2) 市民との関係のあり方
市民に対して今後どういった形で訴えていけばよいか,記述式で聞いた.代表的な回答をまとめると以下の通りである.
これまでの研究会の成果を本にまとめたり,パンフレットにまとめて市民に配布して,知識を踏まえてもらう.
LRT啓蒙パネルの展示等,PRする場を設ける,イベントの開催,婦人会,老人会等地域活動の集会に時間を割いてもらってPRを図る.(学校にPRを図るという意見もあった)
各地区の現在の交通のずさんさを公民館に出向いてわかってもらう会を催す.
LRTの導入に際して,車の規制等,市民にも犠牲を伴ってくるのでLRTとはどういうものか,導入したら枚方はどう変わるのか,ねばり強く訴えていくべき.イベント,交通実験をして考えてもらうのが一番早い
LRT実現後のプラス効果を広く理解させることに力点を置くべき.周り回って税金負担が軽くなり,市民の直接負担が軽減されることをPRすべし.
自分たちの街をどうしていくか高い意識が必要
交通教育を行う
10.会報について
図19は会報についての意識を聞いてみた.ほぼ満足しているが8割を越えたが,やや不満がおよそ10%に達した.
またやや不満である,不満であると答えた方に記述式で聞いたところ,もう少し,大枠を載せるべきといった意見が聞かれた.
また今後,会報をどういった形にしていけばいいか,どういった記事を載せていったらよいか記述式で聞いたところ,地域のイベントや他の活動団体の紹介やLRTに関する動きの紹介といった意見があげられた.
11.最後に
本調査は最後に自由意見を記述式で頂いた.代表的な回答をまとめると以下の通りである.
枚方・LRT研究会のレベルは高いし,参加している人の知識も豊富であり,LRTを導入したいという情熱も人一倍あると思う.しかし,残念ながらそれが外に出ないで内にこもってしまっていると思う.そのパワーをどうしたらいいか考えていく時期に来ていると思われる
そろそろトランジットモール,パークアンドライドを始めとする交通実験をしていく時期だと思います.もちろん行政や市民やいろいろな団体の協力が必要ですが,議論をしていくうちに,そこから話が進んでいくと思います.政令指定都市でない枚方市がLRTを導入すると,日本中に大きなインパクトになります.早くその日が来ることを願ってます.
13.まとめ
得られた知見を以下に示す
枚方・LRT研究会の入会に当たっては,知り合いに誘われてという要因が最も大きいことがわかった.今後,会のエネルギーを増加していくためには会員の更なる獲得は必至である.そのためにも人脈以外の広報に基づいた会員獲得の方法も検討していく必要が考えられる.
入会後の会員の意識の変化として,今まで研究会で積極的に取り組んできた「LRT・交通」「枚方の交通」というキーワードには非常に興味がもてるようになったという回答が多かったが,「枚方市」についての回答は上の2つの回答に比べて低かった.今後,枚方・LRT研究会がLRTの導入を検討している「枚方」についてより一層,会員に対して理解を深めてもらう必要があるかと考えられる.また入会後の意識の変化として,公共交通,鉄道を都市機能といった視点で見れるようになった.また勉強するにつれてLRTの導入が不可欠であるという認識に至ったという回答もあった.
枚方・LRT研究会のあり方の満足度は52%がほぼ満足しているであったが,やや不満であるが,35%も占め,厳しい意見もあった.不満の意見として,一般市民の巻き込みが不足している.学問的遊びが続いている.同じようなことをやっている.といった意見があった.またLRT導入が決定されるまでの会員意識については会員の意識が統一されておらず,意思統一を図ると同時に,この調査の結果としては,10年以上のスパンが大半を占めていたので,気の長い活動も覚悟した上で目標に向かって取り組んでいく必要があるかと考える.
これからの研究会の活動として,市民に対して訴えていく活動が必要と答えた方が,半数以上を占めた.
定例の研究会に対してはほぼ満足が60%も占めたが30%の方がやや不満と回答している.不満の理由として,研究会のスケジュールが不明確という意見があった.今後,具体的なLRT導入後の詳細図,継続性のあるイベントといった定例の研究会の実施が自由意見で書かれた.
研究会と行政との関係については,理解のある議員を増やす,もしくは候補者を出す,といった回答が自由意見でありながら複数占めた.またその他には交通実験を行う,訴え方に関するものがあげられた.
研究会と市民との関係のあり方についてはイベントを催す,各市民団体の会合に出向いて,口座を開くといった行動型の意見が多数を占めた.またLRT実現後のプラス効果を市民にPRしていくといった意見もあった.