2. インタビューにおける発言内容
(1)物理的なバリアに関する発言
@鉄道に関するバリア
- 高架駅で上下移動が困難(市内のJR学研都市線はエレベータを設置していない)
→エスカレーターよりもエレベーターの設置の方が良い- ホームの構造が危険(電車との間が空いている=京阪御殿山駅/曲がっている=光善寺)
→ホームと電車の間に板を置いて欲しい- 駅周辺で歩行者と自動車の動線が交叉している(京阪御殿山駅周辺)
Aバスに関するバリア
- バスの乗降口の幅を広く取って欲しい(A型のベビーカーが入らない)
- 狭い道を歩いている時バスが対向すると危険を感じる(池之宮)
(2)制度的なバリアに関する発言
- 鉄道等の割引制度について、精神障害者に対する制度が不十分
- 割引制度の使用方法が鉄道会社によって異なり、分かり難い
- 乗り駅と降り駅の間の連絡等が不十分な時がある(京阪〜近鉄間
- 他社の線に乗り換える時、連絡方法があるのかどうか分からない
- 車いす用スペースを確保している車両の本数が少ない。また、その車両が何両目かが
決まっていない- 車いすの補助に慣れていない駅員に対応されるとかえって戸惑う
- 多数の駅員に介護をしてもらうと周りに対しても気を遣う
- 京阪は駅員が出迎えてくれるが、JRでは駅員がどこいるかさえもわかりにくい
- エレベーターなどの設備について、車いす専用ではなく車いす優先とする方が良い
- 車いすで電車に乗ろうするとホームの端に誘導されるが駅によってはホームと電車とが最も離れている箇所になる(御殿山駅)
(3)文化・情報面でのバリアに関する発言
- 車いす用スペースを設置している車両がいつ運行されているかが分からない
- 駅の構造が把握しにくい
→音声・点字等による案内がほしい- 地下鉄に乗ったとき、道がわからず迷子になった
- 鉄道やバスの経路図は分かりにくい。特に乗り継ぎの方法が分かりにくい。
→駅名や停留所名をひらがなでも表示してほしい(複数の意見)- 案内板の字が小さいので見えにくい
- 電車のアナウンスを聞いて乗り降りしている
- 音声・視覚情報を提供するバスロケーションシステム(=停留所でバスの運行状況が
リアルタイムでわかる)がほしい- バスの停留所と実際に停まる場所にずれがあり乗降口の位置がわからない
- バスの音声案内は実際の運行とずれることがあって困る
- 複数の路線のバスが停まる停留所では、停まったバスがどの路線のバスかわからない
- 他社の線に乗り換える時、連絡方法があるのかどうかわからない
(4)意識上のバリアに関する発言
- 駅員が当事者ではなくヘルパー等に話・対応をする
- バスに乗った時に、運転手から「なぜ一人で乗るのか」「運賃は要らない」などと
言われた(5)道路に関するバリア
- 歩道に違法駐輪が多い
- 違法な路上駐車が多い
- 道路に勾配がある(右図)
- 突然雰囲気=構造が変わる歩道は怖い
- 雨の日に点字ブロックの上を通ると滑る
- タイル状の歩道の舗装は車いす等にとって通りにくい
- 側溝に蓋がなく、夕方・夜になると歩道なのか溝なのか分からない
- 狭い歩道に植樹やベンチなどのバリアがある(楠葉中央〜船橋までの府道)
- 雨を通すための溝にかかっている網状蓋の網の幅が広く、車いすの前輪や白杖がはまってしまう
- スロープが設置されていても、車いすが利用しにくいものがある
長い距離を上り続ける(市役所庁舎前〜近鉄百貨店)
勾配が急(イズミヤ枚方店)
滑り止めがバリアとなっている
その他- 自動車・自転車等の進入を止めるためポラードが
車いすの移動を妨げている(中宮第3団地)- アイドリングしている車は動いているか停まっているかわからない
(5)枚方市について
- 他市に比して福祉が進んでいる
- 車いすを作る際に府が一定額を負担してくれるが、不足分を市が負担してくれる
- 枚方市内から作業所へ通う際の公共交通機関の運賃を半額負担してくれる
- 統合教育で有名。エレベーターが設置されている中学校校舎もある
- 適切な配慮をしてくれる先生もいた
- 星が丘厚生年金病院の存在が障害者施策に影響を与えている
- 坂が多いと感じ(だから車・バイクが多くなる)
- 枚方市中心部の拠点が分散されている
- 市役所までのアクセスが悪い
(6)その他の意見
- 京阪樟葉駅等の階段の存在を示す鳥の鳴き声の放送は便利
- 自動車を運転するようになると公共交通機関を殆ど使わない
- 自動車運転免許の取得・自動車の購入について種々の補助・控除がある
- 自動車を運転するようになって自律的に行動できるようになった
- 以前に比べて車が増えた
- 車いす用駐車スペースを確保する店舗が増えた
- 障害の種別によって、求めるバリアフリーが異なる場合がある
(車いす利用者はフラットな歩道を求めるが、視覚障害者は段差がある歩道を求める)- もっとバスの本数を増やしてほしい。
(7)LRTについて
- 低床式車両を望む
- 低床式車両でも物理的な問題として介助なしで利用できるか不安がある。
- LRTの導入によって自立(自律的)に行動できるようになればいいと思う
- 公共交通優先の政策と障害者の自動車利用のバランスについて議論が必要だと思う。
(8)他のグループの発言から
- 子供とか車椅子とかが乗り降りしやすい乗り物が欲しい
- ベビーカーを広げて電車を利用するのはこのあたりではダメ。バスは揺れて、ベビーカーがどっかに行ってしまうため、論外。
- ベビーカーを肩につるし子供をだっこするために階段がきつい、特にこの近辺ではJR長尾駅の階段が危険
- 京阪はエレベーターが設置されているため、かなり移動が楽であるが、JRは全然ダメである。
- ベビーカーを使っていてもエレベータが移動の導線に沿わない形で端の方にあったりすると利用しない。ベビーカーをかついで上がる。
- 階段を上る際、ベビーカーに子供を乗せたまま登ると子供がすーっと落ちる場合がある、しかし、たたむ方が重たい。
- 歩ける子供も階段は危ない。(以上 子育てグループへのインタビューからの意見)
- 京阪は最近エレベーターの設置が進み大変移動しやすくなった
- エスカレーターは登りだけでなく下りも欲しい。歳を取ると下りの方が堪える
- 歳を取るとバスの段差を登るのが不可能になり、シルバーカーやタクシーを利用して病院など行っている。
- 大阪市のようなノンステップバスを中心都市だけでなく枚方のような郊外の都市においても導入して欲しい。(以上 高齢者グループへのインタビューからの意見)